黒曜石と翡翠

先祖調査や家系図作成のという仕事柄、歴史関連の図書をよく読みますが、時代をどんどん遡ってゆきますと必然的に石器時代に到達します。

この時代のご先祖様のことを知る方法はありませんが、この時代に生きていたことは確かで、そうしたことに思いを馳せるのも歴史のロマンの一つではないでしょうか。

さて、この石器時代で、個人的に最近気になっていたのが「黒曜石」と「翡翠」。
黒曜石は歴史の教科書にも出てきますが、火山岩のひとつで、ほぼガラスに近い物質です(二酸化ケイ素が70%程度)。
これを砕くとナイフの刃のようになる(破断面が鋭利)ので石器時代にナイフや鏃などに使用されていました。

黒曜石の国内の主な産地を調べてみますとだいたい次の通りです。
①北海道(白滝(すき焼きを思い出します)他3カ所
②本州(長野県 和田峠。霧ヶ峰。東京都 神津島。神奈川県 箱根他)

北海道の白滝産のものは、アムール川河口のマラヤ・カーヴァ遺跡からも出土しており(産地により成分が異なるため確認することが可能)、当時の広い交易状況が分かります。

石器時代というと「石の大きなお金を使う漫画」が浮かんできますが、実はこのように交易も行われていたんですね。
黒曜石は切れ味が鋭いので、科学技術が進んだ現在でも外科手術などに使用される場合もあるとのことですが、真偽不明です(笑)。磨くと宝石のようにも利用できるようです。

さて、翡翠(ひすい)ですが、新緑から白色をの宝石で、硬玉はモース硬度が6.5 – 7と非常に硬いため壊れにくく、先史時代には石器武器として使用され、ヨーロッパでは翡翠で作られた石斧が出土しているようです。なんとも豪華な石斧ですね。

また、古代の中国では他の宝石よりも価値が高いと認められ、古代くから腕輪などの装飾品、器、精細な彫刻をしたた置物なども作られたようで、実用面と装飾面の両方で重用されていたことが分かります。

ヒスイの加工として現在のところ判明している最古のものは、日本新潟県糸魚川市で縄文時代中期(約5000年前)から始まったとされています。

この硬くて丈夫な翡翠は、不老不死および生命の再生をもたらす力を持つと信じられていたようで、日本では弥生時代・古墳時代に珍重されて祭祀・呪術などに使用され、装身具や勾玉に加工されたことはご存知の通りです。

最初に何かを発見して使用した人の名前は不明ですが、ひょっとすると、あなたのご先祖様が発見したかもしれません。
先人たちの努力のお陰で現在の私たちの文明がありますし、そうした中で生き抜いてきた自分のご先祖様にも感謝したくなります。

私も生きているうちに、何か発見できたらいいなと思いますが・・・うーん。

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