歴史ブログ 風邪

2日間の長野出張から土曜日の夜に戻り、今日はゆっくりした気持ちになって仕事をしてましたが、外はとても寒いです。
さて、これだけ寒い冬ですと、裸で仕事をするお相撲さんのことが心配になります。

実際に、今ほど暖房設備が充実していなかった江戸時代の大相撲の偉大な横綱であった谷風は、インフルエンザで亡くなりました。彼の身長は6尺2寸5分、体重は43貫であったと言います。現代の表現では189cm、161kgですから相当な大男です。

谷風の戦績ですが、横綱になってから63連勝の後に1敗した後に、さらに43連勝をしました。この大記録は昭和になって大横綱双葉山が69連勝するまで、150年間ほど破られることはなかった大記録でした。
生前、「土俵で倒されることはない」と豪語していたようですが、インフルエンザには勝てなかったようです。
世間の人々はこの偉大な横綱の突然の死に驚いて、このインフルエンザを「谷風」と呼びました。

医学が、まだ、それほど発達していなかった江戸時代には20回以上もインフルエンザが大流行しました。当時の医師はインフルエンザのことを「時期感冒」「天行感冒」と呼び、庶民はその時々の時世を反映して「お七風邪」「谷風」「琉球風邪」「アメリカ風邪」などと呼んでいました。

「インフルエンザ」の語源ですが、16世紀イタリアの占星術師が、インフルエンザの冬季に流行し春に終息する周期性から、この流行を星の運行や寒気の影響によるものと考えて「影響」と言う意味のラテン語(influenctiacoeli)から「influenza」と呼んだことに由来するようです。

皆さんも、どうか体を暖かくして、風邪など引かないようにご自愛ください。H12

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